2025年9月16日(火)、みなと工業会主催の第378回朝食会(ホテル・ノット)にて、弊社代表取締役の鈴木晶が「省人力化・生産性向上につながる『DX』~企業における実践とその事例紹介~」をテーマに講演を行いました。
当日は48名の方々にご参加いただき、製造業におけるDX推進の必要性や、実際の取り組み事例を交えながら、現場でどのように進めていくかについてお話ししました。
日本の製造業が直面する厳しい現実
講演の冒頭では、バブル期に世界最高水準の自動化を達成しながら、現在は半導体製造業くらいしか残っていない日本の製造業の現状と、ドイツのインダストリー4.0、中国の急速な自動化に後れを取る中、DXが急務となっている状況をお話しました。
DXの重要性は理解されている方が多いと思いますが、「お金があっても、専門家がいても、DXは殆ど失敗する」というのが、本講演中に鈴木が特に強調したメッセージです。
現場が「理解」していても「納得」していなかったり、日々の業務で手いっぱいで改善に取り組む余裕がないなど、経営層の取り組みが現場まで浸透しないのです。
また、システム導入だけで終わる、IT部門だけの責任と考える、効率化だけを目的とするなども、多くの企業が陥るDXの誤解です。
「DXとは経営・情シス・現場の全員で取り組み、ビジネスモデル自体を変革すること」なのです。
身近な業務改善から始めるDX
日本の製造業が抱える課題として「人手不足」や「デジタル人材の不足」などが深刻化する中、DXは”特別なもの”ではなく、身近な業務改善から始めることができます。
講演では、アナザーウェアが展開するIoTサービスを例に、既存の設備や人材を活かしながら段階的にDXを進める方法をご紹介しました。また、包装容器製造企業での成功事例を通じて、現場・管理・経営が三位一体となって取り組むことの重要性をお伝えいたしました。
弊社もこれまで中堅・中小企業向けにDX製品を開発してきましたが、「ほとんどのプロジェクトが失敗に終わった」と率直に語りました。
この失敗から学び、「今ある設備で、今いる社員で、今の業務で」IoT化を実現する伴走型サービスを開始。手書き作業のデータ化、エクセルの自動連携など、ITの手前の段階から一個一個整理する段階的アプローチにより、確実な成果を生み出しています。
DX成功の鍵は「ノーコード」と「今あるままで」
DX成功のキーワードとして「ノーコード(プログラミング知識不要)」と「今あるままで(既存システムを活用)」を挙げました。「DXは経営者が指揮をとり、現場が主体性をもって行動し、進められるところから進めることが成功の鍵」なのです。
DXは単なる効率化ではなく、企業のあり方、そして未来をソウゾウする”変革”です。
アナザーウェアは今後も、講演活動や支援サービスを通じて、製造業の現場力向上と日本の産業発展に貢献してまいります。
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